話し合いは夫婦の未来にも関わってきます。体外受精を行う予定の方は体外受精をスタートさせる前に夫婦での話し合いがとても重要です。なぜかと言うと、体外受精では精神的、肉体的、金銭的負担があります。なんとなく始めて、気づけば何年も経ってしまった、そしてお金もなくなってしまった、精神的にボロボロになってしまった・・・。そうなる前にしっかりと夫婦で話し合った方がいいことを、体験談を交え、ポイントを抑えて書いていきたいと思います。
前回は、体外受精の採卵とAMHが低い人によくあることについて書かせて頂きました。
↓前回の記事はこちら↓
【完全自然周期】体外受精体験者が語る【採卵】の準備と詳しい流れ|AMHが低い人によくあることとは!?
私はAMHが低く、排卵誘発剤を打って多くの卵胞をとることが難しい体質でした。その為、完全自然周期で体外受精を行うのが一番卵巣に負担をかけずに行えるということがわかりました。
しかし、完全自然周期の場合、大きく育つ卵胞は私の場合多くても2個。
初めての採卵では、中身の卵子がない・・・。
なんてこともあり、体外受精は精神的、肉体的、金銭的な負担を感じ、私たち夫婦は今後の進め方について家族会議を重ねました。
体外受精を行う夫婦が話し合わなければいけないこと
夫婦の意思確認
私たち夫婦の場合、子どもを欲しい気持ちがとても強かったので体外受精に進みましたが、体外受精に進む決断はかなりの覚悟が必要なことだと思います。
まずは夫婦で、体外受精に進むかどうか、今の気持ちを確認し合うことがとても大切です。お互いに思っていることを本音で話さないと、後々喧嘩や家族崩壊に繋がることもあるかもしれないので、しっかり自分の考えを伝え、相手の意見をよく聞きましょう。
体外受精を行う期間と回数
なにより女性は、肉体的・精神的負担がかかります。
そのことを踏まえ、夫婦でどれぐらいの期間または回数を行うかは、しっかり話し合うことが必要です。
1度の体外受精で卵子が取れて、うまく胚移植まで進み、その後、子宮に着床する方は、もしかしたらとても少ないのではないでしょうか。
あまりマイナスなことを考えるのはよくないですが、何も決めずに子どもができるまで体外受精をするということは、女性にかなりの負担がかかると思うので、あまりおすすめしません。(なかなか妊娠できない場合、追い詰められていくような気持ちになります。)
採卵で卵子が採れなかった経験も踏まえ、私たち夫婦は家族会議の末、「胚移植を3回行っても妊娠しなければ1度休みの期間を入れ、その時に将来について再び話し合う」という結論に至りました。
毎月の体外受精は、想像以上に大変です。私の場合、リセットが来るたびに精神的苦痛を感じ、それはかなりのストレスに繋がっていたと思います。私は、「休み」の予定を入れることで、安心感が生まれストレスが少し軽減されたように思います。
それぞれの不妊に繋がる可能性の要因や夫婦の気持ちを考慮して、将来のことについて話し合っておくことはとても大切だと思います。
金額面
体外受精にかかる費用とは
体外受精を妊娠するまで繰り返し行いたくてもできない・・・その悩みの1つが金銭面です。
1回の体外受精を行う費用は平均20~60万円といわれています。国や市区町村での助成制度もあるので、助成が適用になるかを把握しておくことも大切です。
また、もしも卵子が採卵で複数個取れた場合、その卵子もしくは受精卵を凍結保存することができます。受精卵1個の場合、私の通っていた病院では凍結保存と融解胚移植は合わせて約13万円程でした。しかし1年以上凍結保存する場合には、さらに1年ごとに保存費用が追加でかかります。
その上で、どのくらいまでの費用を体外受精にかけられるかどうかを、夫婦間で事前に話し合っておくことが大切だと思います。
仕事面
体外受精を行う多くの女性が、おそらく、仕事を続けるかを悩むのではないでしょうか。なぜならば、行きたい時に行ける病院と違って、病院側から指定された日に、必ず行かなくてはならないのが不妊治療だからです。
しかも、排卵や胚移植に関しては、病院によっては午前しかやっていなかったり、人気の医院だと予約が入っていて、限定された時間にきてほしいと言われるケースもあります。
体外受精って何回通えばいいの?
通院1回にかかる時間は?
私の通っていた医院では、1回の体外受精(排卵予測から妊娠判定まで)の場合、以下の回数と、受付から会計までトータルで以下の時間が、かかりました。
- 排卵日予測の為の内診・血液検査(予測できなければ、数日後にもう1回)→約2~3時間
- 採卵(午前中時間指定)→約2~3時間
- 胚移植→約2~3時間
- ホルモン注射を打つ→45分
- 妊娠判断→約2時間
職場に時間休もしくは、半日休の申請を最低5回はしなくては病院へいけませんでした。
これが1サイクルで終わるならまだしも、2回、3回と続けば、流石に上司に「何かあったの?」と言われていしまいます。
上司や同僚に不妊治療をしていることを話すタイミング
基本的に不妊治療をしていることを言いたくなければ、話さなくていいと私は思います。
私も1回目の体外受精時までは職場の方には話さないで、不妊治療を行いました。
ですが2回目の体外受精前に、私は上司に体外受精のことを打ち明けました。
私の職場では休みの申請は翌月の予定を、前月の15日までにしなくてはいけなかったのですが・・・
前もって休みの申請ができなかったり、休みの申請を前もってしていても、胚移植まで進めずに休みを取り消して出勤になった時、職場に迷惑がかかってしまい罪悪感を感じたためです。
私の場合、上司も同僚も不妊治療に対して理解がある方達だったので、打ち明けた後は休みも取りやすく罪悪感なく不妊治療に臨めました。仕事を辞めずに数回体外受精を行うことができたのも、職場の理解があったからだと感じています。
職場によっては、休みが取得しやすい、しにくいがあると思うので、仕事も両立して不妊治療を行いたい場合には、職場に話すのか、話すならそのタイミングも夫婦間で相談し共有しておくといいかと思います。
自分の両親に不妊治療していることを話すかどうか
私は、不妊治療中は全く話せませんでした。(出産後、話しました・・・)
自分の親が、悲しむのではないか、誰も悪くないことだけどそのように感じてしまうのではないか・・・。
両親に話したことを考えただけで、泣いてしまうぐらいその頃の私は情緒も不安定だったので、両親には言わないでおこうと思いました。
ですが、私の友人の中には不妊治療を始める時から両親に相談し、毎回の検査結果なども両親に伝えている友人もいました。
それぞれの家庭環境や状況もあると思うので、話すか話さないかは、夫婦間で話し合った方がいいと思います。
また妻の両親、夫の両親どちらか片方にしか伝えない場合は、両親同士が万が一会ったときに話されないように、片方にしか伝えてないことまでをしっかり伝えておきましょう。
以上、体外受精を行う前に話し合ったほうがいいと思うことを、私の体験を交えて書かせて頂きました。
話し合った方がいいことの答えは、それぞれの夫婦の家庭状況や考え方次第なので、正解はありません。
事前に夫婦間で話し合いをしっかりすることで、体外受精を何度も行うことになった場合の精神的負担の軽減に繋がるのではないかと思います。(私がそうでした。)
また、夫婦の気持ちをできるだけ共有することでが、お互いの気持ちの差を埋め、共感し、夫婦間の結束に繋がるのではないかと思います。参考にしていただければ幸いです。
次回は胚移植についての書きたいと思います。
もみじ