今まで、私の経験した不妊治療について書いてきましたが、多く体外受精をされている方は「不妊治療を終える」ということが1度でも頭によぎった経験があるのではないでしょうか。今回は“終えどき”と“終えたあと”について、私の考えを書いていきたいと思います。
私もかれこれ、採卵が6回、そのうち2回やっと受精卵を戻すも着床せず…そのときふと頭によぎったのは不妊治療をやめるという選択です。
もし本当に子供ができなかったらどうする?その話題を夫とも語り合ったことがあります。
不妊治療を辞めるタイミング
不妊治療を長期にわたり続けている方や、なかなか着床までいかない方は、精神的にも肉体的にもとても辛いと思います。
ましてや、私も働きながらの不妊治療でしたが、仕事をしている方は休みが取りづらかったり、薬の影響などで体調不良になるなど、仕事と両立しながら治療を行うことはとても大変なことです。
体と心が限界を迎えたら
何度も言いますが、体外受精はうまく受精卵が着床しないこともあり、そのたびに精神的、肉体的ダメージが伴います。また妊娠しても流産などを経験してしまうと、なかなか人の記憶からは消えるものではありません。
心の病気になる可能性がある場合は、一度体外受精を休み、夫婦での話し合いが必要です。
体と心が限界と感じる方は、子供ができない苦痛から解放されて、夫婦の今後の人生を考えることも1つかもしれません。
夫婦で話し合った期限・回数を迎えたら
夫婦でしっかりと話し合って、期限・回数を決めて、不妊治療を終えることも選択肢としてはあります。
例えば〇才の誕生日まで、胚移植〇回行ったら、不妊治療を始めてから〇年経った時など、具体的に決めることでその後の子供がいない人生への気持ちの準備ができるかもしれません。
不妊治療がもうできないと医師から判断されたら
不妊治療といっても、不妊の原因は人それぞれです。卵巣や子宮、卵子や精子など不妊に繋がる要因は様々ですが、不妊治療を続けても妊娠が難しいと医師からの判断があれば、治療をやめるかどうかを考えるタイミングなのかもしれません。
不妊治療の方法も病院ごとに違いはあると思うので、あきらめずにセカンドオピニオンとして別の病院で診てもらうのも一つかと思います。また、難しい治療になると海外の病院へ行く方もいると聞きます。
金銭的に辛いとき
今は国や地方公共団体によって、不妊治療の助成金がでます。しかしその助成金で不妊治療にかかった全ての金額を補えるわけではありません。
また、自治体によっては所得制限金額に差があり、夫婦で働いているために、助成金を受けられないケースも多いかと思います。
金銭的に、今後の夫婦生活に支障がでるところまできたら、不妊治療をやめるタイミングかもしれません。
夫婦二人の貯金を足しても食べていけない…。もし子供を授かっても育てていけない…。そうなる前に、しっかり二人の貯金がいくらあるのかを調べて、いくらまでなら不妊治療に使えるかを把握しておきましょう。
仕事と今後の自分の人生を考えて
30代の方であれば仕事が軌道に乗り、長く続けたい!家のローンがあるため、簡単には仕事を辞められない!40代の方であれば役職についていたり、給料も今までより貰えているので辞めたくない!という考えの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
職場が不妊治療に対して理解のある職場であれば、仕事を続けながら治療を行うことは充分に可能かと思います。
しかし、忙しくて休めない、自分の仕事を代わってくれる人がいないなど、休みをとることが難しい環境であれば、「不妊治療か、仕事か」どちらかを選択しなければなりません。
自分の人生やキャリアを考えて、どうしても働き続けたいと思ってる方は、不妊治療は諦めざるをえないと思います。
不妊治療は終えるが、やっぱり子供を持つことを諦めきれない場合
養子縁組という選択肢があります。
養子縁組を行う場合、手続きや審査、面接などがあります。申し込みをして審査等に通っても、何年も待つ方もいると聞きます。
子供がどうしてもほしい方は、1つの選択肢になるかと思います。
また必ず心に留めておいてほしいことがあります。それは、養子縁組を希望され、後に子どもを育てる場合、いつかは子どもに本当の両親でないことを伝える時期がくるかと思います。その伝える時期が早すぎたために、子どもが親を信頼できず、児童が情緒不安定になり家族崩壊が起こってしまったケースがあると聞きました。どうか、伝えるか伝えないかも含めよく夫婦で話し合い、伝える場合には慎重に時期を選んで伝えて下さい。
最後に
不妊治療を終える決断は、できれば夫婦が納得した形で、終えるのが一番かと思います。
二人の人生は、子供がいないからといって、そこで終わりではありません。
子供がいないからこそ、夫婦の時間を有意義に使うこともできるからです。
今話題の海外を何十か国めぐるクルーズ船の旅に出掛けてもいいですし、二人の好きな動物を飼うでもいいですし、自分の好きなように家を設計して建てるのもいいかもしれません。好きな海外に移住することも選択できます。
人それぞれ色々な人生があります。自分がこれからの将来、どのように生きたいかを考えて選択をしてください。
決めるのはあなた自身です!!
もみじ