タイミング法の次に人工受精へステップアップする方多いと思いますが、人工受精は主に男性側に不妊の要因がある場合に有効な手段です。特に精子減少症や精子無力症、性機能障害のある方が向いているのが人工受精です。女性は子宮頸管粘液不全や抗精子抗体のある方は、人工受精を行うことで妊娠確率を上げることができるかもしれません。女性でそれ以外の要因(原因不明も含む)場合には、いち早く体外受精へステップアップされることをおすすめします。
なぜこのような話をするかと言いますと、医師から上記のような説明がありましたが、私は体外受精へのステップアップにとても躊躇したました。私自身、AMHが低い(卵子の在庫数が少ない)ことが不妊の主な要因で、人工受精は1回しかやらないと決めてトライしました。人工受精の向いていない(体外受精が向いている)方が、長期期間、人工受精を行っても時間と費用を無駄にしてしまいます。不妊の要因に合わせて、治療を見直すことも大切です。
今回は、私が1回経験した人工授精についてと体外受精を行う場合の問題点について詳しく書いていきたいと思います。
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人工授精ってなに?
人工授精(AIH)は受精の場である卵管膨大部に受精に必要十分な精子を届けるため子宮腔内に精子を注入する治療法です。
引用元:一般社団法人 日本生殖医学会
人工授精の種類
人工授精は精子を注入する場所で呼び方が変わります。
①子宮腔内人工授精(IUI)→精子を子宮腔内に注入します。
②子宮頸管内人工授精(ICI)→精子を子宮頸管に注入します。
③卵管内人工授精(FSP)→精子を卵管内に注入します。精子が卵管の端まで到達しやすく、妊娠の可能性が高まります。
④腹腔内人工授精(DIPI)→腟の方から腹腔内(ダグラス窩)に精子を注入します。
人工授精の主流は①の子宮内人工授精(IUI)です。受精の場である卵管膨大部に近いほど妊娠の確率は高くなると考えられています。
引用元:杉山産婦人科 人工授精
人工授精の主なスケジュール
超音波検査 生理10日目〜12日目
超音波検査排卵日を正確に特定するために超音波で卵胞の大きさ、子宮内膜厚を計測します。さらに血液検査でエストロゲン(E2)を測定し正確性を高める場合もあります。排卵日の特定後は、人工授精の実施時間や精子の用意方法などを相談して決めます。
人工授精当日 生理12日目〜14日目(排卵日前日〜当日)
精子は自宅で採取し持参か院内で採精します。人工授精当日にもう一度超音波で状態を確認できます。人工授精は人工授精専用処置室にて行います。実施後15分間休憩することが出来ます。最後に、看護師より人工授精後の注意事項を説明して終了です。
黄体補充療法 生理14日目以降(排卵後)
人工授精後は、排卵と黄体機能の確認を行います。黄体機能の低下が認められる場合は黄体補充療法を行い着床率を高めます。
妊娠判定 生理28日目以降(生理予定開始日以降)
予定開始日を過ぎても生理が来ない場合は妊娠判定を行います。血液検査でhCGホルモンを測定し妊娠を判定します。
引用元:はらメディカルクリニック
人工授精の費用
一般的には1回約2万円前後です。排卵誘発を併用した場合はどの薬や注射を使うかで費用が追加でかかります。
人工授精からのステップアップ目安
人工授精の現状4~6回が目安です。
人工授精で妊娠される方の約90%は人工授精の4~6回目までで妊娠されているため、この回数が一つの目安です。 しかし、女性の年齢や精子の状態によってはもっと早めにステップアップすることを考えた方が良い場合もあります。
引用元:はらメディカルクリニック
私の人工授精体験談〜当日〜
私の場合、不妊の原因はおそらくAMHが低い(卵巣の中に残っている卵子の数がとても少ない)ことでした。
医師にははなるべく早く体外受精に進んだ方がいいと言われましたが、自分自身の中でまだ自然妊娠できるのではないかという思いが強くあり、すぐには踏み切れず、自然妊娠に近い人工授精を行うことにしました。
内診と血液検査で排卵日を予測してもらい、人工授精実施日が決まりました👫🏥
排卵予測日より前に来院日を決める病院が多いかと思います。
精子は実施予定時間から約3時間以内に自宅で採り、できるだけ人肌程度の温度をキープして病院へ来院しました。
(精子は、暑すぎも寒すぎもよくないみたいです)
精子はすぐに病院の担当医に渡し、機械でふりかけられ濃縮されます。
(ちなみに自宅が遠い方は病院に採精室があります)
その後・・・決められた時間に、通常の検査で使う内診台の部屋に呼ばれ、名前と生年月日の確認をされました。
内診台にて卵胞の大きさを確認後、人工授精が行われました。
「それでは、〇〇さん入れますね。💉」
「はい。入りました~。お疲れ様。」
かなりあっという間でした!
痛みなども全くありませんでした。
期待を胸に・・・・・
生理が来ないことを祈り・・・・・
それから約1か月が経ちました。
人工授精実施の結果
いつもなら、もう生理が来るはずなのにこない…もしかしたら…
期待したのも束の間、残念ながら生理がきてしまいました😱😥
またリセットです・・・・。
「やっぱり妊娠しづらい体なのかな・・・。」
「もしかしたら明日閉経してもおかしくないかもしれない。(卵巣年齢47歳相当)」
「体外受精をしていればよかった・・・」と後悔だけはしたくないと思い、私たち夫婦は次の周期に体外受精を行うことを決断しました!!😬
体外受精を行うにあたって、私たちが通っていた医院では定期的に体外受精説明会が月に数回行われていました。
忙しかった私たちはその説明会のDVDを観て、体外受精についての方法や治療の流れを詳しく知りました。
体外受精は、採卵手術により排卵前に体内から取り出した卵子と精子の受精を体外で行う治療です。受精が正常に起こり細胞分裂を順調に繰り返して発育した良好胚を体内に移植すると妊娠率がより高くなることから、一般的には2-5日間の体外培養後に可能な限り良好な胚を選んで腟の方から子宮内に胚移植します。
引用元 一般社団法人 日本生殖医学会
体外受精の「た」の字も知らなかった私が、説明会で聞き、驚いたのが・・・【注射で卵子をとる】ということでした。
「え!?卵巣に針を刺す?痛そう😱😨泣」
でも、痛そうだからといってやらない選択肢はありません。
痛いのは、我慢すればいいのです。
我慢すれば・・・😤😖
体外受精で夫婦が直面する問題
ですが、他にも体外受精を行うにあたって、問題がありました。
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体外受精実施の費用面→どのくらいまで費用をかけるか。
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そもそも病院へ通えるのかどうか。→仕事の休みがとれるのか。
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自分の両親へは話すのかどうか。
この問題は必ずといってもいいほど、体外受精を行う夫婦が直面することなのではないでしょうか。
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体外受精を行う夫婦が話し合うべき5つの大切なこと|20代体験者が語る
この病院では平均にはなりますが、例えば20代女性が10回体外受精を行った場合、(1回につき1個の卵を子宮に入れる)4回は着床するというデータもあるようですが、反対を言えば6回は、着床しないで流れているということ。
体外受精を1回したからといって、必ずしも妊娠するのではないということです。
つまり自然妊娠が難しい私のような人は、妊娠するまで体外受精を繰り返さなければ、妊娠しないということ。
当時その病院では、一回の体外受精(採卵から肺移植を子宮に戻すまで)の値段がなんと・・約40万円でした。
他の病院より、高いか低いかはさておき、20代の私にとって40万円は大金!!!!
もし、なかなか卵子が定着せず繰り返し体外受精を行うとしても金銭面で限度がありました。
運よく仕事も調整をして休めそうだったので、とにかく両親には特に言わずに1度挑戦をしてみて、もし妊娠しなければその時に夫婦でよく話し合おうということで、夫婦で体外受精をやると決断し、実施日を決めるべく病院へ行きました。
生理開始から9、10日目に来院し血液検査で黄体ホルモンの値と内診で卵胞の大きさを診てもらい医師より体外受精の実施日が伝えられました。
人工授精を行った感想
人工受精というと、初めはハードルが高く大変なイメージでしたが、実際行うと痛みもなく、人工授精にかかった時間もあっという間に終わりました。冒頭に書いたように、男性側に不妊の要因がある場合や女性の子宮頸管粘液不全や抗精子抗体のある場合には、体外受精よりも人工授精を行う方が良いのではないかと思います。しかし、卵子や精子の質は年齢に相当します。人工受精に向いている方も、夫婦の年齢が高い場合、体外受精を行うことも視野に入れて、早めに人工受精からのステップアップをおすすめします。
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